炉内雰囲気の使い分けが求められる理由と雰囲気炉の役割

工業炉で行われる加熱処理では、温度条件だけでなく炉内をどのような雰囲気に保つかも重要な要素のひとつです。
処理対象の材質や目的によっては、大気中での加熱だけでなく、窒素やアルゴン、水素などのガスを用いた雰囲気制御が行われることがあります。

また、処理内容によっては工程の途中で炉内雰囲気を切り替えたり、真空置換を取り入れたりするケースもあります。
そのため、雰囲気制御を行う工業炉では温度管理に加えて、ガス供給や置換方法も考慮することが重要になります。

本記事では、炉内雰囲気の使い分けが求められる理由や主な雰囲気ガスの考え方や雰囲気炉が果たす役割について紹介します。
後半では、雰囲気炉の活用事例や検討時によくある疑問についてもわかりやすく整理します。

 

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目次

炉内雰囲気の使い分けが必要になる理由

工業炉で行われる加熱処理では、設定温度だけでなく炉内をどのような雰囲気に保つかによって処理の進み方や仕上がりが変わることがあります。
そのため、材質や処理内容に応じて雰囲気を使い分けることが重要になります。

特に酸化を抑えたい場合や表面状態に配慮したい場合などは、大気中での加熱だけでは対応しにくいこともあります。
ここではその理由について紹介します。

大気雰囲気では対応しにくい処理がある

工業炉で行われる加熱処理の中には、大気中でそのまま加熱すると処理対象に影響が出やすいものがあります。
たとえば、加熱中の酸化によって表面状態が変化したり、処理後の外観や後工程に影響したりする場合があります。

そのため、処理内容によっては大気雰囲気のままではなく炉内雰囲気を調整しながら加熱を行うことがあります。

 

大気雰囲気と雰囲気制御の違い

観点 大気雰囲気で起こりやすいこと 雰囲気制御で対応したいこと
表面状態 酸化などの影響を受けやすい 表面への影響を抑えたい
処理環境 周囲空気の影響を受ける 炉内環境を整えたい
処理条件 条件によっては対応しにくい 処理内容に応じて調整したい

材質や処理内容によって求められる条件が異なる

工業炉で処理される製品や部材は、材質や形状、処理目的がそれぞれ異なります。
そのため、同じ加熱処理であっても適した炉内雰囲気が同じとは限りません。

たとえば、酸化をできるだけ抑えたい場合と炉内の反応を見ながら処理を進めたい場合とでは、求められる雰囲気条件も変わってきます。
炉内雰囲気は材質や処理内容に応じて考えることが大切です。

 

炉内雰囲気の検討で見られるおもなポイント

  • 材質
  • 処理目的
  • 表面状態への配慮
  • 処理中の反応条件
  • 後工程への影響

 

炉内雰囲気の検討で見られるポイント

項目 確認したい内容
材質 どのような材質を処理するか
処理目的 何を目的とした加熱処理か
表面状態 表面への影響をどの程度抑えたいか
工程条件 処理中にどのような雰囲気が必要か
後工程 後の工程に影響が出ないか

 

炉内雰囲気の違いが処理結果に関わることがある 

加熱処理では、同じ温度条件であっても炉内雰囲気の違いによって処理後の状態が変わることがあります。
たとえば、表面の変化の出方や処理後の外観、後工程への影響などは、炉内雰囲気によって差が出る場合があります。

そのため、求める処理結果に応じて、温度条件だけでなく炉内雰囲気もあわせて考えることが重要です。

 

炉内雰囲気によって差が出ることがある項目

  • 表面状態
  • 処理後の外観
  • 後工程への影響
  • 処理の安定性
  • 求める仕上がりとの合致

 

炉内雰囲気と処理結果の関係

観点 炉内雰囲気によって差が出ることがある内容
表面状態 酸化の出方や表面の変化
外観 色調の見た目の状態
後工程 次工程での扱いやすさへの影響
処理の安定性 条件の再現性やばらつき
仕上がり 求める状態に近づけやすいか

 

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工業炉で使用されるおもな雰囲気ガス

工業炉で用いられる炉内雰囲気は、処理対象の材質や処理内容に応じて選ばれます。
実際には、大気以外にも窒素、アルゴン、水素などが使われることがあり、目的に応じて単独または組み合わせて用いられる場合もあります。

ここでは、工業炉で使用されるおもな雰囲気ガスとその考え方について紹介します。

窒素が使われるおもな場面

工業炉で使用される雰囲気ガスの中でも窒素は比較的広く用いられるガスのひとつです。

処理内容によっては、大気中での加熱による影響を抑えるために窒素雰囲気が使われることがあります。

また、処理対象や工程条件に応じて炉内雰囲気を安定して保ちたい場合にも窒素が用いられることがあります。

このように窒素は雰囲気制御を行う際の基本的な選択肢のひとつとして使われています。

 

窒素が使われる場面の例

  • 大気中での影響を抑えたい場合
  • 炉内雰囲気を安定して保ちたい場合
  • 処理内容に応じて雰囲気制御を行いたい場合

 

アルゴンが使われるおもな場面

アルゴンは、不活性ガスとして用いられることが多く、炉内でできるだけ反応を起こしにくい雰囲気を保ちたい場合に使われることがあります。
処理対象の材質や処理条件によっては、窒素ではなくアルゴンが適するケースもあります。

また、一般的には窒素よりコストが高くなる傾向があるため、必要な処理条件に応じて使い分けられます。

 

アルゴンが使われる場面の例

  • 反応をできるだけ抑えたい場合
  • 不活性雰囲気を保ちたい場合
  • 処理条件に応じて窒素以外のガスが求められる場合

 

水素が使われるおもな場面

水素は、還元性ガスとして用いられることがあり、処理内容によっては炉内の酸化を抑えながら加熱を行いたい場合などに使われます。
また、求める処理条件によっては、ほかのガスと組み合わせて使用されることもあります。

一方で、水素を使用する場合は、安全面への配慮も重要になります。
そのため、水素雰囲気は処理内容と設備条件の両方を踏まえて検討されます。

 

水素が使われる場面の例

  • 還元性が求められる場合
  • 酸化を抑えながら処理したい場合
  • 処理条件に応じて他のガスと組み合わせる場合

 

雰囲気ガスは組み合わせて使われることもある

工業炉で使用される雰囲気ガスは、ひとつのガスだけでなく処理内容に応じて組み合わせて使われることもあります。
また、工程の途中で炉内雰囲気を切り替えながら処理を行うケースもあります。

このような使い分けは、材質や処理目的、工程条件に合わせて、より適した炉内環境を整えるために行われます。
そのため、雰囲気ガスは単独で考えるだけでなく組み合わせや切替も含めて検討されます。

 

雰囲気ガスを組み合わせて使う場面

  • 処理内容に応じて炉内環境を調整したい場合
  • 工程ごとに適した雰囲気を使い分けたい場合
  • 単一ガスだけでは対応しにくい条件がある場合

 

雰囲気ガスの使い方の例

使い方 内容
単独で使う ひとつのガスで炉内雰囲気を整える
組み合わせて使う 複数のガスを用途に応じて用いる
切り替えて使う 工程の途中で炉内雰囲気を変更する

 

工業炉で使用されるおもな雰囲気ガスの例

ガス おもな特徴 使われる場面の例
窒素 比較的広く使われる雰囲気ガス 大気中での影響を抑えたい場合、炉内雰囲気を安定して保ちたい場合
アルゴン 不活性ガスとして用いられることが多い できるだけ反応を起こしにくい雰囲気を保ちたい場合
水素 還元性ガスとして用いられることがある 酸化を抑えながら加熱したい場合、還元性が求められる場合

 

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雰囲気の切替や真空置換が行われる理由

加熱処理では、ひとつの炉内雰囲気を保ったまま工程を進めるだけでなく、処理内容に応じて途中で雰囲気を切り替えたり、真空置換を行ったりすることがあります。
これは、材質や処理目的、工程条件に合わせて炉内環境をより適した状態に整えるためです。

ここでは、雰囲気の切替や真空置換が行われる理由について紹介します。

処理工程に応じて雰囲気を切り替えるケース

加熱処理の中には、工程の最初から最後まで同じ炉内雰囲気で進めるのではなく、途中で雰囲気を切り替えながら行うものもあります。
これは、工程ごとに求められる炉内環境が異なる場合があるためです。

たとえば、昇温時、加熱保持時、冷却時では、適した雰囲気条件が変わることがあります。
そのため、処理内容に応じて炉内雰囲気を切り替えながら運転するケースもあります。

 

雰囲気切替が行われる考え方

工程の場面 雰囲気切替を考える理由
昇温時 加熱開始時に適した炉内環境を整えたい
加熱保持時 処理内容にあった条件を維持したい
冷却時 冷却時の影響も含めて炉内環境を調整したい

 

真空置換が用いられるおもな目的

真空置換は、炉内に残る空気や残留ガスの影響を減らし、目的に応じた雰囲気ガスを導入しやすくするために用いられます。
その際には、まず真空引きによって炉内のガスを減らしてから、必要な雰囲気ガスを導入する流れがとられることがあります。

「真空」という言葉から、真空状態そのものをつくることが目的のように受け取られることもありますが、雰囲気炉では、所定の炉内雰囲気を整えやすくするための手段として使われるケースもあります。
そのため、真空置換は炉内雰囲気を安定して整えるための方法のひとつとして考えると理解しやすくなります。

 

真空置換で押さえておきたいポイント

  • 真空引きは、炉内の空気や残留ガスの影響を減らすための操作
  • 真空置換は、真空引き後に雰囲気ガスを導入して炉内環境を整える考え方
  • 真空状態そのものが目的とは限らない

 

真空引きと真空置換の違い

項目 内容
真空引き 炉内の空気や残留ガスを減らすための操作
真空置換 真空引きのあとに雰囲気ガスを導入して炉内環境を整える方法
雰囲気制御での位置づけ 所定の炉内雰囲気をつくりやすくするための考え方

 

雰囲気制御では安全性や設備構成も重要になる

雰囲気制御では、使用するガスの種類に応じて注意すべき点が異なります。
たとえば、水素を使用する場合は可燃性への配慮が必要であり、窒素やアルゴンを使用する場合でも、漏えい時には酸素欠乏に注意が必要です。

また、安定した雰囲気を保つためには、ガスを入れるだけでなく、供給方法や排気、置換の流れまで含めて考えることが大切です。
そのため、雰囲気制御に対応する工業炉では、処理条件だけでなく、安全性や設備構成もあわせて検討されます。

 

雰囲気制御で確認したいポイント

  • 水素使用時の可燃性への配慮
  • 窒素やアルゴン使用時の酸素欠乏への配慮
  • ガスの供給方法
  • 排気や置換の流れ
  • 処理条件に合った設備構成

 

雰囲気制御で確認したいポイント

項目 確認したい内容
使用ガス どのような特性のガスを使うのか
安全性 可燃性や酸素欠乏の配慮ができているか
供給方法 ガスをどのように導入するか
排気・置換 炉内のガスをどのように入れ替えるか
設備構成 処理条件に合った構成になっているか

 

炉内雰囲気の制御における雰囲気炉の役割

炉内雰囲気の使い分けや切替、真空置換などを安定して行うためには、それに対応した設備が必要になります。
雰囲気炉は、加熱するための炉であるだけでなく、処理内容に応じて炉内環境を整え、維持する役割も担っています。

ここでは、炉内雰囲気の制御において雰囲気炉がどのような役割を果たしているのかを紹介します。

雰囲気炉は炉内雰囲気を制御しながら処理を行う設備

雰囲気炉は、処理内容に応じて炉内雰囲気を制御しながら処理を行う設備です。
温度条件だけでなく、どのような雰囲気を保つかによって処理結果が変わる場合には、炉内雰囲気を適切に管理できることが重要になります。

そのため、雰囲気炉には、処理条件に応じた炉内雰囲気を維持できることが求められます。

ガス供給や置換方法も重要な要素になる

雰囲気炉では、使用するガスの種類だけでなく、どのように炉内へ供給し、どのように置換を行うかも重要になります。
たとえば、炉内に狙った雰囲気をつくりたい場合や、空気や残留ガスの影響をできるだけ減らしたい場合には、ガスの供給方法や置換方法が処理条件に関わることがあります。

また、工程の途中で雰囲気を切り替える場合や、炉内雰囲気を安定して保ちたい場合にも、ガスの供給方法や置換方法が重要になります。
そのため、雰囲気制御に対応する炉では、ガスの選定だけでなく、供給方法や置換方法もあわせて考えることが求められます。

処理内容に応じて求められる炉の仕様は異なる

雰囲気炉に求められる仕様は、どのような材質を、どのような処理内容・温度条件で扱うかによって異なります。
使用するガスの種類はもちろん、雰囲気の切替が必要か、真空置換を行うか、安全面にどのような配慮が必要かによっても、考えるべき内容は変わります。

そのため、実際の設備検討では、使用するガスだけを見るのではなく、処理方法や温度条件、工程の流れまで含めて整理することが大切です。
処理に応じて仕様を整理することが、雰囲気炉の検討では重要になります。

 

検討時に整理したいポイント

  • 処理対象の材質
  • 熱処理方法や処理内容
  • 処理温度や工程条件
  • 使用するガスの種類
  • 雰囲気の切替の有無
  • 真空置換の必要性
  • 安全面への配慮

 

雰囲気炉が活用されるおもな処理

雰囲気炉が活用される処理は、材質や処理目的によってさまざまです。
同じ加熱処理であっても、求められる炉内雰囲気は処理ごとに異なるため、用途に応じた使い分けが行われています。

ここでは、雰囲気炉が活用されるおもな処理について紹介します。

酸化を抑えたい加熱処理

加熱処理では、処理内容によって加熱中の酸化をできるだけ抑えたい場合があります。
特に、表面状態を保ちたい場合や、処理後の外観、後工程への影響に配慮したい場合には、炉内雰囲気を管理しながら処理を行うことがあります。

そのため、酸化を抑えたい加熱処理では、雰囲気炉が活用されることがあります。

 

酸化を抑えたい場面の例

  • 表面状態の変化を抑えたい場合
  • 処理後の外観に配慮したい場合
  • 後工程への影響をできるだけ減らしたい場合

 

酸化を抑えたい加熱処理で見られる考え方

観点 内容
表面状態 加熱中の変化をできるだけ抑えたい
外観 処理後の見た目に配慮したい
後工程 次工程への影響を減らしたい

表面状態に配慮した処理

加熱処理では、酸化の有無だけでなく、処理後の表面をどのような状態で保ちたいかが重視されることがあります。
たとえば、変色をできるだけ抑えたい場合や、処理後の外観に配慮したい場合、後工程につながりやすい表面状態を保ちたい場合には、炉内雰囲気を管理しながら処理を行うことがあります。

そのため、表面状態に配慮した処理では、雰囲気炉が活用されることがあります。

 

表面状態に配慮したい場面の例

  • 変色をできるだけ抑えたい場合
  • 処理後の外観に配慮したい場合
  • 表面の仕上がりを保ちたい場合
  • 後工程につながりやすい状態にしたい場合

 

表面状態に配慮した処理で見られるポイント

観点 内容
外観 処理後の見た目に配慮したい
表面の仕上がり 加熱後の表面状態を保ちたい
後工程 次工程につながりやすい状態にしたい

 

工程中の雰囲気管理が求められる処理

加熱処理の中には、工程の最初から最後まで同じ炉内雰囲気で進めるのではなく、工程に応じて雰囲気管理が求められるものもあります。
たとえば、昇温時、保持時、冷却時で求められる条件が異なる場合や、工程の途中で雰囲気を切り替えたい場合には、炉内雰囲気を管理しながら処理を行うことがあります。

そのため、工程中の雰囲気管理が求められる処理では、雰囲気炉が活用されることがあります。

 

工程中の雰囲気管理が求められる場面の例

  • 昇温時と保持時で条件が異なる場合
  • 保持時と冷却時で条件が異なる場合
  • 工程の途中で雰囲気を切り替えたい場合
  • 工程に応じて炉内環境を変えたい場合

 

工程中の雰囲気管理が求められる処理で見られるポイント

工程の場面 管理したい内容
昇温時 加熱開始時に適した雰囲気にしたい
保持時 処理内容に合った条件を保ちたい
冷却時 冷却時の影響も含めて管理したい
切替時 工程に応じて適した雰囲気へ変更したい

 

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雰囲気炉の活用事例

1.連続式でも雰囲気ガスの切替で必要に応じた熱処理が実現

コンベヤタイプでも窒素ガス、水素ガスの投入で炉内を無酸化状態にして熱処理することが可能です。

焼ならし炉

【導入前の課題】

  • 連続炉で雰囲気ガスを使用したい
  • 必要に応じてガスの切替をしたい

【導入後の効果】

  • メッシュベルト式+出入口カーテン構造にして、出入口に窒素をシャワー状に投入することにより炉内の雰囲気を保ったまま無酸化での熱処理が可能となった
  • 入口窒素雰囲気にした後、炉内で水素への切替をすることで雰囲気の使い分けをすることができるようになった

2.真空置換により無酸化熱処理が実現

真空置換は窒素置換に比べて炉内に大気が残りにくく、より高度な無酸化状態を保持することができます。

焼戻炉

【導入前の課題】

  • 焼入れ後に表面を酸化させたくない
  • 自動搬送させたい

【導入後の効果】

  • 窒素を投入する前に真空置換することにより炉内における窒素の純度が高い状態で熱処理が可能となった
  • 搬出入装置を自動化にしたことにより作業員の夜間業務が軽減した

 

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よくある質問

雰囲気炉を検討する際には、使用するガスの考え方や、雰囲気の切替、真空置換の必要性などについて疑問が出ることがあります。
また、処理内容に応じてどのような点を整理すればよいのか、判断に迷う場面もあります。

ここでは、雰囲気炉に関してよくある質問を整理して紹介します。

 

Q:雰囲気ガスはどのように選ばれますか

雰囲気ガスは、処理対象の材質、処理内容、温度条件、求める仕上がりなどを踏まえて選ばれます。
同じ加熱処理であっても、酸化を抑えたいのか、反応をできるだけ避けたいのか、還元性が求められるのかによって、適したガスは異なります。

また、使用するガスの種類だけでなく、雰囲気の切替が必要か、真空置換を行うか、安全面にどのような配慮が必要かによっても考え方は変わります。
そのため、雰囲気ガスは単独で決めるのではなく、処理条件全体に応じて選ばれます。

 

雰囲気ガスを考える際のおもなポイント

  • 処理対象の材質
  • 処理内容や熱処理方法
  • 処理温度や工程条件
  • 求める表面状態や仕上がり
  • 雰囲気の切替や真空置換の有無
  • 安全面への配慮

 

雰囲気ガスを選ぶ際のおもな観点

観点 確認したい内容
材質 どのような材質を処理するか
処理内容 どのような処理を行うか
温度条件 どの温度帯で処理するか
仕上がり どのような状態で求めるか
工程条件 切替や真空置換が必要か
安全性 使用条件に応じた配慮が必要か

 

Q:雰囲気の切替や真空置換はどのような場合に必要になりますか

雰囲気の切替や真空置換は、工程ごとに求められる炉内雰囲気が異なる場合に検討されます。
たとえば、昇温時、保持時、冷却時で適した条件が変わる場合や、炉内に残る空気や残留ガスの影響を減らしたうえで、目的に応じた雰囲気ガスを導入したい場合などです。

また、使用するガスの種類や処理内容によっては、安全面や設備条件も含めて考える必要があります。
そのため、雰囲気の切替や真空置換は、処理方法や工程の流れに応じて必要性が判断されます。

 

検討されるおもな場面

  • 工程ごとに求められる雰囲気条件が異なる場合
  • 昇温時と保持時で条件を変えたい場合
  • 保持時と冷却時で条件を変えたい場合
  • 炉内に残る空気や残留ガスの影響を減らしたい場合
  • 導入したい雰囲気ガスを整えやすくしたい場合

 

雰囲気の切替や真空置換が必要になるおもな場面

場面 考え方
工程ごとの条件差 昇温時、保持時、冷却時で適した雰囲気が異なる
雰囲気切替 工程の途中で条件を変えたい
真空置換 炉内の空気や残留ガスの影響を減らしたい
設備・安全面 使用ガスや処理条件に応じた配慮が必要になる

 

Q:雰囲気炉を検討する際に整理したいポイントは何ですか

雰囲気炉を検討する際には、使用するガスだけでなく、どのような処理を、どのような条件で行いたいのかを整理することが大切です。
材質、処理内容、温度条件、工程の流れによって、必要となる雰囲気制御や炉の仕様は変わってきます。

また、雰囲気の切替や真空置換の有無、安全面への配慮が必要かどうかも、あわせて確認したいポイントです。
処理に応じて必要な条件を整理することが、雰囲気炉の検討では重要になります。

 

雰囲気炉の検討時に整理したいポイント

  • どのような処理を行いたいか
  • どの温度帯・工程で使用するか
  • 雰囲気の切替や真空置換が必要か
  • 使用するガスに応じた安全面の配慮が必要か
  • 炉に求める仕様や構成は何か

 

雰囲気炉を検討する際の整理ポイント

場面 整理したい内容
処理内容 どのような加熱処理・熱処理を行うか
温度・工程 どの温度帯で、どのような工程で使うか
雰囲気制御 切替や真空置換が必要か
安全面 使用ガスに応じた配慮が必要か
設備仕様 炉に求める構成や仕様は何か

 

まとめ

雰囲気炉は、処理内容に応じて炉内雰囲気を制御しながら処理を行う工業炉です。
使用するガスには窒素、アルゴン、水素などがあり、材質や処理目的、温度条件に応じて使い分けられます。

また、処理によっては雰囲気の切替や真空引き、真空置換が必要になることもあります。
雰囲気炉を検討する際は、使用するガスだけでなく、処理方法や工程条件も含めて整理することが重要です。

 

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